遺言書作成支援

遺言書作成支援について

遺言の方式は全部で7種類の方式があります。
とりわけ多くの方に関係してくるのが自筆証書及び公正証書の形式による遺言書です。
以下、自筆証書遺言及び公正証書遺言の作成支援に関してご説明いたします。
遺言には遺言者の最終意思の実現を図ること、将来の紛争回避に寄与するとの側面があります。遺言は法律に定める方式に従って作成されないと無効となります。公正証書遺言について、方式自体の不備が生じることはほとんど考えられませんが、自筆証書遺言には、方式の不備による遺言無効のリスクが常に付いてまわります。遺言の効力の発生する時期は遺言者の死亡の時であるため、遺言者自身において遺言内容の実現が図られたかを確認することはできません。専門家の関与により、遺言が無効となるリスクを回避し、遺言者の意思に添った遺言内容の実現が図れるよう、遺言書の作成を支援します。
当事務所では初回無料相談を随時受け付けております。
遺言書作成に関するご不明点・お困りごとがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

公正証書遺言について

公正証書遺言とは公証人、証人2名関与のもと作成される、普通方式による遺言の一種です。
当事務所は基本的に公正証書による遺言の作成をお勧めしております。
公正証書遺言は自筆証書遺言(遺言書保管制度を利用していない場合)と比較した場合に以下のメリットがあります。

・遺言書の原本を紛失する恐れが事実上ない。
・遺言書の破棄・隠匿・変造等のリスクを回避できる。
・遺言書の検認手続きが不要。
・公証人関与のもと作成されるため、遺言の方式不備による無効のリスクがほとんどない。また遺言内容の実現の蓋然性が高い。

反対に、自筆証書遺言と比較した場合のデメリットとしては、

・費用と手間がかかる。

という点があげられます。
自筆証書遺言の場合は紙とペンと印鑑さえあれば直ちに作成することも可能ですが、公正証書遺言の場合は必要書類の取得に加えて、公証役場との日程の調整も必要になるため、自筆証書遺言に比べると即時性は劣ります。また専門家に依頼する場合の報酬、公証人手数料等の実費がかかるため費用面の負担は大きくなります。ですが、上記デメリットを鑑みても、公正証書遺言により得られるメリットの方がはるかに大きいため、費用面に問題がなければ公正証書による遺言の作成をお勧めします。

公正証書遺言作成支援の流れ

当事務所に公正証書遺言の作成支援をご依頼いただいた場合の、一連の流れをご説明いたします。
一般的な事案における例示であることをご了承お願いいたします。

  • ご相談

    司法書士業務の基本である人・物・意思の現状把握に務め、事後の手続きを円滑に進めるためのヒアリングを行います。遺言は遺言者の最終意思の実現をその基礎におきます。お客様の遺言内容の実現に資するため、丁寧にヒアリング致します。またご相談時に必要書類のご案内、お見積書のご提示をいたします。
    ご相談に際しては本人確認資料(運転免許証・マイナンバーカード等)のご提示にご協力いただきますようお願い申し上げます。
  • 公正証書遺言の文案の作成

    ご相談時にお伺いした内容をもとに、遺言書の文案を作成いたします。
    作成後、お客様に遺言書文案をご確認いただきます。内容の修正は勿論、ご不明点等ございましたら何なりとお申し付けください。
  • 公証役場との調整

    お客様による遺言書文案の確認後、公証役場に遺言書文案を含めた必要書類を持参(送付)し、遺言書作成日の調整をします。この際に公証人による文案の修正(記載方法に関する軽微な修正等)が入ることがあります。なお所定の費用はかかりますが、遺言書作成日に公証人の出張による遺言書の作成も可能です(事前の調整が必要です)
  • 公正証書遺言の作成

    お客様、公証人、証人二人の立会いのもと、公正証書遺言を作成します。遺言書の原本は公証役場に保管されます。お客様には正本と謄本の2冊が交付されます。正本・謄本に法律的な効力の違いはありません。遺言書の正本・謄本は大切に保管いただきますようお願いいたします。一方をお客様にて、もう一方を遺言執行者等、遺言に係る身近な方に保管いただくのも一つの方策です。ただし、正本・謄本の双方を貸金庫に保管することは事後の手続きに支障をきたす恐れがあるためお勧めできません。

公正証書遺言作成支援の料金について

司法書士報酬は、66,000円(税込、証人1人分の日当込)です(事案に応じて相違することがあります)公証人手数料等実費は事案に応じて大きく異なるためご注意ください。

司法書士報酬(税込)公証人手数料等実費
公正証書遺言作成支援66,000円(※1)16,000円~(※2)
証人手数料6,000円程度(1人につき)
遺言書正本・謄本交付手数料おおむね2,500円~(1枚につき250円)
登記情報取得(※3)332円(1通につき)
固定資産評価証明書(※3)300円程度(1通につき)
戸籍謄抄本(※4)450円(1通につき)
住民票の写し(※5)300円程度(1通につき)
印鑑登録証明書300円程度(1通につき)

※1 証人1人分の日当が含まれます。
※2 遺言の目的である財産の価格に対応する形で、手数料の額が定められています。また財産の相続または遺贈を受ける人ごとに手数料額を求めるため、相続または遺贈を受ける人の数によっても金額が変動します(詳細は公証人手数料令第9条別表)  
※3 遺言者の財産に不動産が含まれる場合に必要となります。
※4 遺言者と相続人の関係を証するために必要となります。
※5 相続人以外の者に遺贈する場合は受遺者の住民票の写しが必要となります。

自筆証書遺言について

自筆証書遺言とは手書きで作成される遺言で、普通方式による遺言の一種です。
自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書のうえ、捺印をする必要があります(民法第967条第1項)なお、自筆証書に一体のものとして相続財産目録を添付する場合、その財産目録については自書の必要はありません。ただし、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)には署名捺印が必要となります(民法第967条第2項)
自筆証書遺言も遺言者の最終意思の実現を図ること、また将来の紛争回避に資するとの役割があることは公正証書遺言に同じです。ですが、遺言内容が実現しない、将来の紛争発生のリスク等に関しては公正証書遺言に比べると高くなります。この点、自筆証書遺言におけるメリット・デメリットは、公正証書遺言のそれとは表裏の関係にあります。
自筆証書遺言のメリットの一例としては、

・即時に遺言を作成できうる。
・費用が低廉で済む(もしくはかからない)
・証人が不要。

自筆証書遺言(遺言書保管制度を利用していない場合)のデメリットの一例としては、

・法律的な要件を欠くことによる遺言無効の恐れ。
・遺言書の紛失・破棄・隠匿・変造等のリスク。
・裁判所の検認手続きが必要。
などが考えられます。

せっかく遺言書を作成しても、紛失してしまったり、そもそも方式不備により遺言が無効となってしまっては意味がありませんので、基本的には公正証書遺言、もしくは遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言によることをお勧めいたします。

自筆証書遺言作成支援の流れ

当事務所に自筆証書遺言の作成支援をご依頼いただいた場合の、一連の流れをご説明いたします。
一般的な事案における例示であることをご了承お願いいたします。

  • ご相談

    司法書士業務の基本である人・物・意思の現状把握に務め、事後の手続きを円滑に進めるためのヒアリングを行います。遺言は遺言者の最終意思の実現をその基礎におきます。お客様の遺言内容の実現に資するため、丁寧にヒアリングいたします。またご相談時に必要書類のご案内、お見積書のご提示をいたします。
    ご相談に際しては本人確認資料(運転免許証・マイナンバーカード等)のご提示にご協力いただきますようお願い申し上げます。
  • 自筆証書遺言の文案の作成

    ご相談時にお伺いした内容をもとに、遺言書の文案を作成いたします。
    作成後、お客様に遺言書文案をご確認いただきます。内容の修正は勿論、ご不明点等ございましたら何なりとお申し付けください。
  • 自筆証書遺言の作成

    自筆証書遺言は、遺言者にて、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。文案にそって遺言書を作成いただければと存じます。遺言書の用紙・封筒は事務所にてご用意いたします。

自筆証書遺言作成支援の料金について

司法書士報酬は、44,000円(税込)です(事案に応じて相違することがあります)自筆証書遺言の作成に下記書類は必須ではありませんが、遺言書に正確な内容を反映させるために、ご用意をお願いしております。初回ご相談時において全ての書類が揃っている必要はありません。

司法書士報酬実費
自筆証書遺言作成支援44,000円(税込)
登記情報取得(※1)332円(1通につき)
戸籍謄抄本(※2)450円(1通につき)
住民票の写し(※3)300円程度(1通につき)
印鑑登録証明書300円程度(1通につき)

※1 遺言者の財産に不動産が含まれる場合に必要となります。
※2 遺言者と相続人の関係を証するために必要となります。
※3 相続人以外の者に遺贈する場合は受遺者の住民票の写しが必要となります。

自筆証書遺言書保管制度について

自筆証書遺言書保管制度とは、手書きの遺言書を法務局に預けることができる制度です。
令和2年7月10日から始まった比較的新しい制度のため、世間的な認知度は低い印象がありますが、以下の点で自筆証書遺言におけるデメリットを補完する有用な制度となっております。

①遺言書の紛失・破棄・隠匿・変造等の恐れがない。
②裁判所の検認手続きが不要。
③遺言書保管事実証明書により遺言書の検索が可能。
④遺言者が希望すれば遺言書保管官が遺言者の死亡の事実を確認した場合に、遺言者が指定した方(1名のみ)への通知が可能。

①について、法務局への遺言書保管により、遺言書の原本と遺言書の画像データが管理・保管されるため、遺言書の紛失・破棄・隠匿・変造等のリスクを回避できます。なお遺言書の保管申請をした遺言者には遺言書の保管証が交付されます(遺言者の氏名・生年月日・遺言書が保管されている遺言書保管所・保管番号が記載された書面)

②について、遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言については、家庭裁判所での遺言書検認手続きが必要です。検認手続きについての説明は省略しますが、検認手続きには手間・費用・時間がかかるため、遺言者の死後、相続人の方において負担となることが通常です。遺言書保管制度を利用することにより検認手続きが不要となることは本制度の大きなメリットです。

③④について、自筆証書遺言の場合、遺言書の存在を周りに知らせておかないと遺言書を見つけてもらえないリスクが常について回ります。遺言書保管制度を利用した場合、遺言者が希望すれば、遺言者の死亡後に、遺言者が指定した者1名(指定可能な者には一定の制限があります)に遺言書が保管されている旨が通知されます。この制度により遺言書の存在を誰にも認識されないとのリスクを大幅に低減することが可能となります。
④については遺言書保管制度に固有の制度といえ、生前、遺言書の存在を近親者等には知られたくないとの意向がある場合には有益な制度と考えます。

保管制度を利用した自筆証書遺言も上記の点で有益な制度ではありますが、以下の点で多くの方にとっては公正証書遺言が望ましいのではないかと考えます。

①自筆証書遺言の保管申請は必ず遺言者本人が管轄法務局に出向いて申請しなければならない。
②遺言書保管所(管轄法務局)では遺言書の内容自体には関知しない。
③精緻な遺言書を作成するにおいて結局のところ書類の収集は必須。

①について、自筆証書遺言の保管申請は必ず遺言者本人が管轄法務局に出向いて申請しなければならないため、ご本人には一定の負担が生じます。公証役場に出向いて遺言書を作成する場合と比較すると、程度の差はあれ、ご本人に一定の負担が生じる点では同じです。
②について、遺言書保管制度を利用しても、遺言書保管所では遺言の内容自体には関知しません。その点公正証書遺言においては、公証人関与のもと作成されるため、遺言の内容自体にも不備が生じにくいというメリットがあります。
③について遺言書保管制度を利用するにおいても、遺言内容の正確性を期するため、必要書類を取得したうえで遺言書を作成することが通常です。必要書類収集の手間においても公正証書遺言との比較で大きな違いはないように思います。

これから遺言書の作成を検討される方は、費用負担の面で特に問題がない限り、
①公正証書遺言
②自筆証書遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言
③自筆証書遺言(自筆証書遺言書保管制度の利用なし)
の順で検討することをお勧めいたします。

自筆証書遺言書保管制度申請の流れ

当事務所に自筆証書遺言書保管申請書の作成をご依頼いただいた場合の、一連の流れをご説明いたします。一般的な事案における例示であることをご了承お願いいたします。

※本業務は必要書類の取得および遺言書文案の検討はすべてお客様にて行っていただきます。遺言書文案の作成をご希望の場合は別途自筆証書遺言作成支援としてのご依頼をお願いいたします。

  • ご相談

    ご相談時に遺言書保管制度の概要・特徴・注意点のご説明、必要書類のご案内、お見積書のご提示をいたします。
    ご相談に際しては本人確認資料(運転免許証・マイナンバーカード等)のご提示にご協力いただきますようお願い申し上げます。
  • 遺言書の作成、司法書士による遺言書内容の確認

    遺言書文案の検討はお客様ご自身にて行っていただきます。遺言書文案の作成が必要となる場合は別途自筆証書遺言作成支援としてのご依頼をお願いいたします。遺言書作成のために必要な用紙は当事務所でご用意いたします。遺言書保管制度を利用する場合、自筆証書遺言に関する民法第968条の方式を満たすことに加えて、用紙や記載方法等に関する制度固有のルールがあるためです。お客様による遺言書の作成後、司法書士による遺言内容の確認を行います。
  • 遺言書保管申請書の作成

    必要書類の取得、遺言書の作成後、保管申請書を作成いたします。
  • 遺言書保管申請

    遺言書保管申請は事前の予約が必要となります。また遺言書保管申請は、遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所、遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所、遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所のいずれかを選択して行います。春日部市にお住いのお客様で、住所地を管轄する遺言書保管所をご希望の場合、さいたま地方法務局越谷支局への申請となります。遺言書保管申請はお客様ご自身が遺言書保管所に出向いて申請する必要があります。

自筆証書遺言書保管申請書作成の料金について

司法書士報酬は、33,000円(税込)です(事案に応じて相違することがあります)自筆証書遺言書保管申請に相続人の戸籍謄本、受遺者の住民票、登記情報等は必要ありませんが、遺言書の記載の正確性を確認するためにご用意いただいております。初回ご相談時においては全ての書類が揃っている必要はありません。

司法書士報酬(税込)実費
自筆証書遺言書保管申請書作成33,000円
保管申請手数料3,900円(収入印紙)
登記情報取得(※1)332円(1通につき)
戸籍謄抄本(※2)450円(1通につき)
住民票の写し(※3※4)300円程度(1通につき)

※1 遺言者の財産に不動産が含まれる場合に必要となります。
※2 遺言者と相続人の関係を証するためにご用意いただきます。
※3 遺言書保管申請の添付書類として遺言者の住民票の写し(本籍及び筆頭者の記載入りで、マイナンバーや住民票コードの記載のないもの(作成後3か月以内))が必要となります。
※4 相続人以外の者に遺贈する場合は受遺者の住民票の写しをご用意いただいております。